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永目 諭一郎; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 秋山 和彦; 石井 康雄; 佐藤 哲也; 平田 勝; 西中 一朗; 市川 進一; et al.
Radiochimica Acta, 93(9-10), p.519 - 526, 2005/00
被引用回数:30 パーセンタイル:87.1(Chemistry, Inorganic & Nuclear)東海研究所タンデム加速器を用いて進めてきた超重元素(104番元素)ラザホージウム(Rf)の単一原子レベルでの化学挙動研究について報告する。特に短寿命(78秒)で数分間に1原子の割合で生成するRfのイオン交換挙動を調べるために開発した自動迅速イオン交換分離装置の概要を紹介する。また最近得られたRfのフッ化物錯体のイオン交換挙動について詳しく述べる。これはRfのフッ化水素酸溶液中での陰イオン交換挙動が、周期表同族元素であるジルコニウムやハフニウムの挙動とは大きく異なっていて、Rfのフッ化物形成に相対論効果が寄与している可能性を指摘する興味深い結果である。
羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 秋山 和彦; 西中 一朗; 平田 勝; 矢板 毅; 市川 進一; 永目 諭一郎; et al.
Journal of the American Chemical Society, 126(16), p.5219 - 5224, 2004/04
被引用回数:43 パーセンタイル:72.51(Chemistry, Multidisciplinary)Cm(O,5n)Rf反応で生成する104番元素ラザホージウム(Rf)のフッ化物錯体のイオン交換挙動を単一原子レベルで明らかにした。Rfの陰イオン交換挙動は、周期表同族元素であるジルコニウム(Zr)やハフニウム(Hf)の挙動とは明らかに異なることがわかり、Rfのフッ化物形成に相対論効果が寄与している可能性を指摘した。
木村 貴海; 永石 隆二; 尾崎 卓郎; 有阪 真*; 吉田 善行
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.233 - 239, 2002/11
高温高圧水溶液(水熱溶液)は種々の地球環境において見いだすことができるが、水熱条件下でのウランの加水分解,錯形成などに関する実験的研究はきわめて少ない。水熱溶液中で金属イオンの分光測定を行うための光学セルを開発し、時間分解レーザー誘起発光分光法と組み合わせてウラン(VI)の発光特性の測定から状態分析(スペシエーション)を試みた。溶液の温度(298-473K),圧力(0.1-40MPa),pH,配位子濃度などをパラメータとして、ウラン(VI)の発光スペクトル及び発光寿命を測定し、熱力学モデル及びデータに基づいて計算した溶存種分布と比較した。発光寿命の温度依存性から、ウラン(VI)の水和イオン,加水分解種,硫酸錯体,及びフッ化物錯体の活性化エネルギーを決定した。これらの結果から、ウラン(VI)溶存種の計算に用いたモデル及びデータの妥当性を新溶存種生成の可能性とともに議論する。
萩原 理加*; 松本 一彦*; 津田 哲哉*; 小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 伊藤 靖彦*
Proceedings of 6th International Symposium on Molten Salts Chemistry and Technology (MS6), p.136 - 139, 2001/10
あるN-アルキルイミダゾリウム塩化物あるいはN-アルキルイミダゾルと無水フッ化水素(HF)の反応によって、無揮発性の室温型溶融塩を得ることができる。その室温型溶融塩は、XF2.3HFであり、ここでX=1-エチル-3-メチルイミダゾリウム(EMI),1-メチルイミダゾリウム(MeIm),1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム(BMI),1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム(HMI)である。室温(298K)での最大の固有導電率では、10mScmという値がEMIF2.3HFに関して得られた。また、カチオンのエチル基をプロトンもしくは長いアルキル基で置換すると、導電率は低下した。これらの溶融塩は大気中で安定であり、常温常圧下ではパイレックスガラス容器を冒さなかった。EMIF2.3HFは、また、-90以上では凍らず、100以下ではフッ化水素(HF)成分を失うことはなかった。さらに、EMIF2.3HFは、室温(298K)で4.85cPという低い粘性率を示したが、この低粘性率は、これらの室温型溶融塩が示す高いイオン伝導性に不可欠な基本的要素であると考えられる。EMIF・HF結晶は、カチオン(EMI)とアニオン(HF)の平面的な層が水素結合で結ばれている構造を持っているが、各溶融塩のSPring-8における高エネルギーX線回折の結果から、溶融塩中にもEMIFHF結晶の構造と類似のカチオンとアニオンの規則的な構造が存在することが明らかになった。この規則構造が、これらの室温型溶融塩の低粘性率の原因,ひいては高導電率の構造的な要因と考えられる。
Strub, E.*; Brchle, W.*; Eichler, R.*; Gggeler, H. W.*; Glatz, J. P.*; Grund, A.*; Grtner, M.*; Jger, E.*; Jost, D.*; Kirbach, U.*; et al.
1st International Conference on the Chemistry and Physics of the Transactinide Elements; Extended Abstracts, 4 Pages, 1999/00
硝酸・フッ酸混合溶液を溶離液として104番元素ラザホージウム(Rf)のイオン交換挙動を同族のZr, Hf及び擬4族のThと比較した。特にフッ酸濃度に対する分配係数の変化を観測することで、それぞれの元素のフッ素イオンとの錯イオン形成の傾向を調べた。その結果、RfはZr, HfよりむしろThに近い挙動を示すことがわかった。錯体形成は一般的にイオン半径の影響を大きく受けるため、Rfのイオン半径がThに近くHfやZrより大きいと考えると相対論拡大効果がアクチノイド収縮より大きな影響を与えている可能性を示す。
M.Schaedel*; W.Bruechle*; E.Jaeger*; B.Schausten*; G.Wirth*; W.Paulus*; R.Guenther*; K.Eberhardt*; J.V.Kratz*; Seibert, A.*; et al.
Radiochimica Acta, 83(3), p.163 - 165, 1998/00
Cm(Ne,5n)反応で生成する半減期7秒のSgの溶液中での化学挙動を陽イオン交換法を用いて調べた。溶離液として0.1M HClを使用し、周期表同族のタングステン(W)と溶離挙動を比較検討した。Wは約60%の収率でカラムから溶離してきたが、Sgの溶離は確認できなかった。これは両者の加水分解速度の違いとして定性的に解釈することができる。この結果をもとに、以前の実験で0.1M HNO/510HF系で溶離を確認した化学種は、フッ化物イオンSgOFあるいはSgOFと推定することができた。
加藤 義春; 木村 貴海; 吉田 善行; G.Meinrath*
Uranium Mining and Hydrogeology II, p.227 - 235, 1998/00
水溶液中におけるウラニル(VI)イオン[UO]種の化学形は環境条件下でのスペシエーションだけでなく、その配位構造及び結合の観点からも興味深い。二元系におけるUOの錯形成は広範に研究されてきたが、三元錯体の生成についてはよく知られていない。本研究では、水溶液中のウランの直接的なスペシエーションに有効な時間分解レーザー誘起蛍光分光法(TRLFS)を用いて、三元系UO-F-SOを研究した。二元系UO-F及びUO-SOにおいて生成された単核錯体UOF(n=1-4)及びUO(SO)(n=1-3)の蛍光波長と蛍光寿命に基づいて、三元系における単核三元錯体UO(SO)F(m=1-2,n=1-3)の生成を検討した。三元錯体の安定性、構造及びその環境放射化学研究における意義について議論する。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 41(5), p.681 - 685, 1979/00
被引用回数:11加水分解とそれに引き続く室温でのフッ素処理により、RuOF, RuFおよびRuFを、100%、RuOに変換、揮発させ得ることがわかった。これは加水分解性生物中の結晶水および水酸基が、室温でのフッ素処理により脱水素反応を起すためである。このプロセスは、回収したPuFの精製(=ルテニウムの除去)に応用できる。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(8), p.574 - 579, 1978/08
被引用回数:6酸化物燃料再処理の際に起る可能性のある、次の三つの反応の生成物を調べた。(i)フッ素によるルテニウムのフッ素化反応、(ii)酸素-フッ素混合ガスとルテニウムの反応、および(iii)酸化ルテニウムのフッ素化反応に引き続いて起る二次反応。実験の結果、(i)の反応性生物はRuF,(ii)ではRuFとRuOF,(iii)ではフッ素化生成物RuOFが装置内で容易に分解することがわかった。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(8), p.633 - 634, 1978/08
被引用回数:0フッ化物揮発法により回収された四フッ化プルトニウム(PuF)は、ルテニウムで汚染されていることが多い。このルテニウムの除去に、室温での「加水分解-フッ素処理」操作を試みた。回収したPuFに水を含んだヘリウムガスを供給、次に室温でフッ素ガスを作用させると、大部分のルテニウムがRuOとなって揮発し、PuFから分離する。一方、プルトニウムの損失は認められなかった。これより、本操作がPuFの精製にに有効なことがわかった。
桜井 勉; 高橋 昭
J.Phys.Chem., 82(7), p.780 - 784, 1978/07
四フッ化酸化ルテニウム(RuOF)は不安定な物質で、室温でもその酸素を放出して分解する。この熱分解は70C付近でもっとも起こりやすく、このため蒸気圧は70Cを超えると減少する。これらの性質は文献に記載されている性質と異なる。測定した赤外吸収スペクトルをもとに、このものの不安定な原因を論じた。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 39(3), p.427 - 429, 1977/03
被引用回数:16二酸化ルテニウム(RuO)とフッ素の反応生成物は、これまで、五フッ化ルテニウム(RuF)であろうと言われてきたが、本実験では、質量分析の結果、生成物はRuFではなく酸化フッ化ルテニウム(RuOF)であるこをと確認した。RuFはかなり不安定な物質であり、酸素を放出して四フッ化ルテニウム(RuF)に変化する。
再処理研究室
JAERI-M 6592, 44 Pages, 1976/06
フッ化物理発法による燃料再処理研究の一環として、ウランおよびプルトニウムの混合酸化物ならびに非放射性核分裂生成物を含む高速炉炉模擬燃料によるフッ素化・精製実験をZおよび3流動層を用いて行い、提案フローシートにおける核分裂生成物の挙動および問題点を把握することができた。ここでは、研究対象とした概念フローシートおよびその精製原理、プルトニウムおよびクランの精製工程の実験結果ならびに用いた工程分析法についてまとめた。
大和田 謙
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 38(4), p.741 - 745, 1976/04
被引用回数:5ウラン複フッ化物におけるウラン-フッ素(U-F)濃縮振動の広範囲にわたる変化を説明するために、原子価結合法にもとづいた波動関数、=cov+ionを用いて、力の定数からU-F結合のイオンおよび共有結合性を推定する方法について検討した。力の定数ととを関係づける半経験式を導き、これによって数種の化合物におけるU-F結合のイオンおよび共有結合性パーセントを得た。
辻野 毅
日本原子力学会誌, 18(4), p.202 - 207, 1976/04
乾式再処理法は湿式法に比して、原理的に種々の利点を有しているが、今なお技術的問題点が未解決であり、実用化に至っていない。しかしながら、最近、工程の単純化および環境安全性向上の観点から、乾式手法が再評価され湿式工程への適用性が論じられている。本稿では、まず乾式手法の特質,乾式再処理の現状と問題点をのべ、ついで乾式再処理の研究開発と関連づけながら、主として、前処理工程への乾式手法の適用性について、現状と問題点を解説し、終りに廃液固化および後処理工程について触れる。
再処理研究室
JAERI-M 6405, 19 Pages, 1976/02
フッ化物揮発法に適用し、プロセスの連続化と六フッ化プルトニウムの放射線分解を防止する観点から、流動層型凝縮器および揮発器による連続コールドトラップの有用性についてけんとうすると共に、六フッ化ウランを用いた実験によりその技術的可能性を示した。ここでは、プルトニウムおよびウラン精製工程におけるコールドトラップの具備すべき条件、2インチ径流動層装置の実験を通じて得られたその凝縮特性と共に、凝縮塔におけるミスト生成に関するモデル解析結果について述べる。この報告は、昭和49年日本原子力学会年会において口頭発表した内容をもとに作成したものである。
再処理研究室
JAERI-M 6393, 27 Pages, 1976/02
安定なPu回収率を有する「F=段フッ素化法」を確立することを目標に、非放射性核分裂生成物を含む高速炉炉心模擬燃料のフッ素化実験を2インチ流動層を用いて行なった。このプロセス原理を実証すると共に、UおよびPuのフッ素化におよぼすFPの影響、Puの工程損失を低減させる可能性を明らかにすることができた。また、UFに同伴したPuFをUOFによって分離する新しいプロセスの可能性を基礎実験によって明らかにした。この報告は、日本原子力学会、昭和49年々会において口頭発表した内容をまとめたものである。
再処理研究室
JAERI-M 6392, 48 Pages, 1976/02
安定なPu回収率を有する「F=段フッ素化法」を確立することを目標に、その第1段階としてUOおよびPuOのフッ素化実験を2インチ流動層を用いて行ない、フッ素化特性および工程上の問題点を把握することができた。ここでは、実験装置の概要および設計の考え方、UOのフッ素化による総合作動試験およびPuOのフッ素化実験さらに、中性子モニター、粉体サンプリング法の検討結果についてまとめた。
桜井 勉
原子力工業, 21(4), p.45 - 48, 1975/04
フッ化物揮発法による核燃料再処理研究の化学的側面について触れてみた。フッ化物揮発法プロセスと技術的問題点を述べ、筆者らのフッ素化プロセスおよびルテニウムフッ化物に関する研究の一部を紹介した。フッ素化プロセスの研究では、フッ化ハロゲン等のフッ素化剤の反応性について述べ、ルテニウムについては、このものがフッ化物発揮法成否の鍵を握る物質であり、その化学的挙動の解明が重要なことを述べた。
富満 広; 小沢 国夫; 土井 健治
Journal of the Physical Society of Japan, 38(3), P. 905, 1975/03
2MVバンデグラーフにより、プロトンや窒素イオンを種々のエネルギー、照射量で、カレントや温度を変えてLiFやNaFに照射して着色させた。これらをX線トポグラフィ(ラング法)で観察して、表面(001)内の二つの100方向に走る特異な縞コントラストが見出された。それらのコントラストの反射面依存性を調べて、照射領域の熱的歪みで作られた滑り面または転位に、点欠陥が析出した結果によるものと思われるに至った。